『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル いち読者の感想とあらすじ紹介

不思議の国のアリス / ルイス・キャロル

これは、『大人を子供に帰す本。

不思議の国のアリス ルイス・キャロル

紹介

イギリスの一人の少女のための即興話から生まれた物語、『不思議の国のアリス』。

タイトルにもある通り、不思議な世界観と主人公アリスの子供らしい冒険で、世界的に有名な物語です。でも、これは元々一人の少女のために語られたお話だったのです。

このお話を献げられた幸福な少女は、いったい誰なのでしょうか?

この物語の著者ルイス・キャロルが、即興のお話を語ってあげたのは…

アリス・リデル少女!

ルイス・キャロルが数学講師として勤めたオックスフォード大学クライストチャーチ学寮の、学寮長の娘さんです。

いいですねぇ、「この物語をあなたに捧げます」なんて、出版する本に書けたら。

私もいつか、あの人に…なんて。

ちなみに、オックスフォード大学クライストチャーチ学寮は、映画ハリーポッターの撮影地だそう。

また、ルイス・キャロルゆかりということで、ステンドグラスにアリス (キャラクターの方ですよ!) がいたりします。

あらすじ

アリスが庭で日向ぼっこをしていると、ジャケットを着たシロウサギが一匹、アリスの前を懐中時計を持って走ってきました。

シロウサギは大慌て。

「大変だ、遅れてしまう!」

アリスは驚きます、ジャケットを着たウサギがいるなんて!

アリスはシロウサギを追いかけて、ウサギに続いて穴に飛び込みました。

深く深く、アリスはどこまでも深く落ちていきます。

「もしかしたら、地球をつきぬけて落ちていくんじゃないかしら!」

なーんて、ドスンと落ちた穴の底。

ここから、アリスの不思議まみれの冒険が始まります。

小ビンの液体を飲んで体が大きくなったり、ケーキを食べて、今度は小さくなったり。

穴の底で見つけた小さな扉の向こうにある、綺麗なお庭に辿り着くため、アリスはどんどん歩いていきます。

三月ウサギと眠りネズミと狂った帽子屋のおかしなお茶会、ニヤニヤ笑いだけ残して姿が見えなくなるチェシャー・ネコ。(「ニヤニヤ笑いなしのネコ」を見たことがあるアリスに言わせれば、「ネコなしのニヤニヤ笑い」ですって。)

女王さまとのクロッケーは、ハリネズミのボールとフラミンゴの木づち、ゴールはトランプの兵士。みんな勝手に動き回って、もはやルールに用はない?

なんて愉快な、不思議で満ちた大冒険!

あれ、あそこにいるのは、ワシの首と翼、それに下半身はライオンの、気のいい怪物グリフォンだ!

クスクス笑って、翼を招いている!

近づいてみると、グリフォンが呼ぶ。

「おいで!」

感想

[ほんとうに不思議!だけど、読めちゃう、わかっちゃう。不思議の国のアリスの面白さ!]

この物語は、タイトルの通り、ほんとうに不思議。

だけど、文章はすっきり簡潔に書かれているので、この小説はとても読みやすいです。

読みながらキャラクターの声や動きが頭に浮かんできてしまいます!

文章を追いながら、頭の中ではチェシャー・ネコがニヤニヤ笑ったり、三月ウサギと眠りネズミと狂った帽子屋がお茶会をしていたり。

彼らキャラクターの言葉や動きの一つひとつが、彼らは真面目な顔でやっているのに、見ているととっても滑稽!

何度読んでも面白い、不思議の国のアリス。

この面白さは言葉にできない…どうぞご自分で、アリスがシロウサギを追いかけたように、アリスの冒険を追ってみては?

[雪徒レイの好きなキャラクター3選]

私がこの不思議の国の住民たちのうちで、一番好きなのは…チェシャー・ネコ

しっちゃかめっちゃかな不思議の国で、いつもニヤニヤ笑っているけれど、チェシャー・ネコだけは案外まとも、なのかもしれません。

そんなネコの言葉を少しだけご紹介。

「ここじゃみんな気が狂ってるんだ。わたしも気ちがい、あんたも気ちがい」

王様「目つきが気に入らんな」

王様「しかし、望みとあらば、わしの手に接吻させてやろう」

チェシャー・ネコ「べつにしたくはございませんな」

思えば、この世界の他の住民といえば、だいたいおかしなことばかりしているものです。

例えば、三月ウサギと眠りネズミと狂った帽子屋のお茶会は、大きなテーブルの席をグルグルと一つずつ変えながら、(みんながそれぞれ横に一つ寄るので、三人の真ん中に座っている眠りネズミは、狂った帽子屋が座っていた席に着くのです。)ずっと続いています。

他にも、女王さまは四六時中誰かの処刑を命じていないと気が済まない方ですし、(その命令は執行されたことがないのですが。)女王さまとのクロッケーはボールも木槌もゴールも勝手に動きまわる始末です。

みんなおかしなことばかり!

でも、そんな中で、チェシャー・ネコはちょっとミステリアスな魅力があるんです。

唯一自分を含めた全員が気ちがいだと自覚しているのも、チェシャー・ネコですし…。

私、この住民も好きなんです!

それは、グリフォン!

伝説上の怪物ということで、見た目は恐ろしいですが心根は優しく、私が読んだアーサー・ラッカム氏の挿絵では、クスクス笑う笑顔まで見られました。

アリスに「おいで!」と声をかけて、『ウミガメモドキのスープ』について教えてくれたり、エビのカドリーユという、エビと踊るダンスを踊ってくれたり、不思議なことばかり教えてくれますが、優しくて穏やかな性格です。

3番目に紹介する、私の好きな住民は…?

あ、あれ、いない?

さっきまでここにいたんだけどなあ。

チェシャー・ネコとグリフォンをご紹介している間に、どこかに行ってしまったようです。

ありゃりゃ。

まとめ

あなたの前にも、いつかシロウサギが懐中時計を片手に走っていくかも?

それを見かけたら、ぜひ追いかけていってみては?

きっと不思議な冒険を楽しめますよ!

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